股関節痛や変形性股関節症の原因となる臼蓋形成不全。

痛み全般

変形性股関節症の原因として代表的なのが臼蓋形成不全。

先天的にも後天的にも生じる股関節の不安定性で、股関節痛患者の多くは臼蓋形成不全症に罹っているとされています。

臼蓋形成不全とは

臼蓋形成不全とは、股関節の骨盤側にある寛骨臼と呼ばれる、豆電球で言えばソケットの部分の発育不全ないし形成不全のことを指します。

股関節は、本来的にはボール状の大腿骨頭をソケット状の寛骨臼が覆う形で形成されます。

寛骨臼は大腿骨頭を完全に覆うわけではなく、80〜90%ほどの被覆率だとされています。

寛骨臼の発達不全

それに対し臼蓋形成不全はそれが未熟でおおよそ50%程度の被覆率ほどだと言われています。

これにより股関節は不安定になり、骨同士の結合性が低下するため、高い負荷がかかるようになります。

原因は遺伝や乳幼児期の病気や関節損傷などが考えられますが、原因がわからないことも多いようです。

変形性股関節症の原因になり得る

臼蓋形成不全は股関節の構造的な安定性やその他の機能に影響を及ぼします。

軟骨の摩耗

代表的なのが股関節負荷の増大による軟骨の摩耗です。

臼蓋形成不全によって股関節構造が不安定になると、関節軟骨への負荷も高まります。

それが長い間続くと関節軟骨の変性が進み変形性股関節症と進行してしまいます。

関節の保護が大切

股関節は構造的な安定性のほかに筋力による安定メカニズムが働いています。

股関節に対する度重なるストレスを軽減するためには十分な股関節周囲筋の筋出力、筋張力の確保が必要になります。

脚長差と腸腰筋

近年では、特に変形性股関節症の臼蓋形成不全と関連する因子として、脚長差(脚の左右差)と腰椎から股関節へと付着する腸腰筋の筋萎縮が注目されています。

片側性の臼蓋形成不全では軟骨の摩耗によって脚の長さの左右差が生まれてしまうことも珍しくありません。

一般的に股関節は体重や反力を両側に分散させることで負荷を軽減していますが、脚長差はそのバランスを崩す原因となり、どちら側にも関節の問題を招く可能性があります。


腸腰筋などの股関節の深部にある筋群は、寛骨臼と大腿骨頭の適合すなわち股関節の安定化に寄与することも報告されています。

中殿筋や小殿筋も大切

他にも中殿筋の後部線維や小殿筋といった殿部の筋肉は、股関節を求心位に保持して安定させる機能があることもわかっており、これらの筋群が適切に働くことで損なわれている臼蓋形成を補うことが出来ます。

股関節周囲筋の萎縮を予防する必要がある

先程も述べたように臼蓋形成不全では脚長差が大きく、腸腰筋や梨状筋、中殿筋、小殿筋など股関節の安定性を担う筋肉に著しい筋萎縮が生じていることが多いと言われています。

したがって臼蓋形成不全症患者では変形性股関節症へと進行させないためにも、これらの筋群の萎縮を予防するためにも、継続的なトレーニングとストレッチング、コンディショニングなどを行っていく必要があります。

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