プレゼンティーイズムとは

健康

プレゼンティーイズムとは

プレゼンティーイズム(Presenteeism)とは、従業員が出社しているにも関わらず、体調不良で能率が低下することを指します。

これまでは、病気や体調不良による欠勤(アブセンティーイズム:Absenteeism)が問題視されてきたが、プレゼンティーイズムによる経済的損失の大きさが注目されています。

プレゼンティーイズムは、経済的な理由、仕事に対する熱意低下や、心身の不調によるパフォーマンスの低下といった従業員面の問題から、健康問題を無視した企業理念なども原因となります。

プレゼンティーイズムに陥っている社員は、体調不良感じながらも出社しており、一見問題なく業務をこなしているようにも見えてしまうことが問題です。

いわゆる不定愁訴(原因がはっきり分からない体の不調)はプレゼンティーイズムに関係しているとされています。

プレゼンティーイズムによる損失

アメリカではプレゼンティーイズムによる損失が年間約150万ドルにも上るとされています。

この数字はアブセンティーイズムによる損失の3倍以上であるとされます。

アメリカにおいてこれですので、勤勉・忍耐を美徳とする日本人は、体調や精神に支障をきたしても出社するような傾向が高いため、より注意する必要があります。

2013年の健康日本21フォーラムでの「疾患・症状が仕事の生産性等に与える影響に関する調査」では精神面の不調により健康時の50%の生産性になるとされ、身体面の不調では60%程度落ちてしまうことが明らかになっています。

プレゼンティーイズムの原因

プレゼンティーイズムの原因には、不安感や不眠、イライラ、人間関係に起因するストレスなど精神的な問題から、女性のホルモン周期による問題、頭痛や循環器系疾患など疾病による問題、また労働環境によって起こり得る腰痛や肩こりなどの問題などさまざまです。

また花粉症やうつなど季節に関係する要素もあります。

これらはその原因や症状の程度をはっきりと自覚しづらいことも問題となります。

個人的問題

ヘルスリテラシーの高い従業員は、個人的な問題に対して何かしらの手段で解決に当たります。

一般的には、スポーツジムに通ったり、治療院に通ったり、余暇活動で何かしらの対策をとっています。

ヘルスリテラシーとは「自分の健康問題を解決するために、健康情報やサービスを調べ活用する能力」を意味します。

ある調査ではヘルスリテラシーが低い人には「何かしらの不調を訴えることが多い」という結果も出ています。

というのも、不調を単なる不調として認識(重篤な問題ではないと解釈)し、健康問題へと捉えないためにそうした状況に陥るのだそうです。

したがってプレゼンティーイズムは、こうした個人的なヘルスリテラシーの低下、欠如が問題となります。

企業の問題

しかし、ヘルスリテラシーの高い人の多くの解決的行動は、自身の余暇時間を利用しており、完全に企業と切り離された関係にあります。

また不調を抱えている場合、余暇活動で運動をするといった行動を起こすのは難しく、ただでさえ個人的な問題に手を焼いている中、労働環境がさらに重くのしかかることがさらなる不調を招いてしまいます。

したがって個人の責任だけでは到底解決し得ないもので、労働活動のなかで健康問題が解決されることが重要です。

若年層は注意

プレゼンティーイズムは、疾患リスクと関連しています。

例えば中高年であれば種々の疾患リスクが高いため、比較的容易に改善点や問題点が見つかり、解決的行動の動機づけにもなります。

しかし若年層ではたとえヘルスリテラシーが低くても疾患リスクは相対的に低いため、改善行動を促進させづらいと言えます。

したがって、全て一様な取り組み方ではなく、それぞれに合う取り組み方が必要となります。

成果が上がらない企業もある

プレゼンティーイズム解消に着手しているにも関わらず成果が上がらない企業も存在します。

その理由にはプレゼンティーイズムがパーソナルな問題であることが挙げられます。

社食メニューの工夫や就業中に運動時間を設けてみても、そうした平均的な施策では個々人にとって「自らに適したケアが施されている」とは感じにくいことが指摘されています。

そうした理由から近年では、ウェアラブルデバイスの利用や健康管理システムを導入している企業も増えているようです。

まとめ

プレゼンティーイズムは、個人的問題ですがひいては会社全体の問題であり、性差、年齢、境遇、価値観などパーソナルな要素を含んだ複雑な問題です。

解決のためには、個人的にはヘルスリテラシーを向上させ健康問題を解決する行動を積極的に取るとともに、企業はそれを個人の負担なく起こせるようにサポートする体制が必要であると言えます。

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