学習の4本柱「能動的関与」について

学習
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さて前回に引き続き、学習について。

認知神経科学者のスタニスラス・ドゥアンヌによると、人間の学習プロセスには4本柱があると言います。

すなわち、

  • 注意
  • 能動的関与
  • 誤りのフィードバック
  • 日中のおさらいと夜間の定着の繰り返し

です。

このうち、注意は前回お話ししましたが、我々は「注意」することで対象をより高次の情報処理システムにまわしています。

それによって事物の学習に繋がるというわけですね。

では次は、能動的関与についてお話ししていきます。

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能動的関与

ドゥアンヌによると効率的な学習とは、受動性を拒み、関与し、探り、能動的に仮説を生み出してそれを外の世界で検証することだと言います。

例えばある授業を受けているとします。

能動的な生徒は、授業で新たな概念に出会ったときに絶えず自分の言葉や思考に置き換えて理解しようとします。

これが能動的関与であり、数学、心理学、生物学、計算機科学などあらゆる科目で能動的な学生の方が成果が高いとされています。

本人の努力がすべて、ではない

効率的に学習するためには能動的関与が必要ですが、学習者本人の努力がすべて、というわけではありません。

能動的関与の土台の1つが好奇心です。

好奇心はいわば人間の本能であり、脳の報酬系回路をくすぐるものです。

それによって、または新たな発見による既存知識へのポジティブな裏切りによって得られる「うきうきする気持ち」が学習を導きます。

すなわち、学習者が知的好奇心をくすぐられ、そこにうきうきするような気持ちを向けられるような課題であることが重要なのです。

もちろん、時に課題は学習者にとって嫌々行わなければならないものだったりします。

そういった場合にも指導者と学習者は一体となって、その課題のどこに注意を向ければ本質的な理解へと繋がり、そのために何が好奇心をくすぐるものになるのか、探究していく必要があるでしょう。

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