肩関節の損傷しやすい筋肉である棘上筋

肩の痛み
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肩関節はその構造から360°どの方向でも動かすことができます。

この構造により我々は手を使った自在な運動を起こすことができます。

日常生活においてほとんどの運動に用いられる肩関節ですが、それだけ関節を動かす筋肉も頻繁に働いていることになります。

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棘上筋

肩甲骨から上腕骨に付着する棘上筋は、おそらく肩関節複合体の全体のなかで最も頻繁に活動している筋であると考えられています。

基本的には腕を外に開くような運動(肩関節外転)の際の三角筋の補助という役割ですが、本来体幹と別のパーツである腕を身体に留めておく働きや、同様の運動の際の安定性にも関与しています。

頻繁に活動する棘上筋はストレスに晒されやすく、さらに力学的に不利な側面を持っています。

棘上筋の力学的負荷

力学的に考えると、棘上筋の内的モーメントアームは約25mmとされており、常に不利なてこ比で働いていることになります。

関節を回転させる力のことを関節モーメントといい、モーメントアームとは力が作用する点から回転軸までの距離を意味します。

つまりモーメントアームは長いほうが関節に対して強い回転力を与えることができるわけです。

棘上筋のモーメントアームは25mmと非常に短いため、例えば腕を90°外転させて先端に何かを持ったりする際にはその支持物の何十倍もの筋力を発揮しなければならないのです。

そのため棘上筋は常にストレスを受けている筋だと言えます。

棘上筋が摩耗すると

棘上筋が疲労によって摩耗すると、その他の肩関節周囲の筋肉の損傷へと繋がります。

こういった症状をまとめて、腱板損傷や腱板症候群と呼ばれます。

単純に外傷によるものや、オーバーユース、烏口肩峰靭帯、肩峰、関節窩周辺に対するインピンジメントなど多くの要因がその発生に関わります。

症状としては、肩関節周囲の筋肉の部分的または完全な断裂や炎症、痛みやだるさ、脱力感などがあります。

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年齢にも左右される

棘上筋は姿勢の悪さや動作不良に伴う血流の減少や加齢変化が加わると、さらにストレスにさらされやすくなります。

腱板損傷の程度次第では肩に炎症と痛みが生じ関節運動が制限されます。

その結果、自動的にも他動的にも運動が制限された状態に陥ります。

これらによっていわゆる五十肩などと診断されます。

 

 

 

 

 

コメント

  1. […] 棘上筋は烏口肩峰アーチの直下を通るという構造とその機能から回旋筋腱板のなかで最も障害されやすいと言われています。 […]

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