腰痛の再発リスクを高める4つの問題

腰の痛み
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身体研究家のなかしま (@Re2054)です。

治ったと思ったら、再発してしまう腰痛。

これは腰痛が治っていないというよりも、潜在的な4つの問題が依然残ったままであることが原因になります。[1]

なかしま
なかしま

この記事を読めば再発を防ぐ方法を学ぶことができます。

今日はこの潜在的なリスクとその改善法についてお話していきます。

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腰痛再発の原因となる4つの問題

その問題とは、

  1. 体幹の筋持久力が低い
  2. 体幹の筋バランスが悪い
  3. 股関節の柔軟性が低い
  4. 身体の安定性が低い

というもの。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

問題①体幹の筋持久力の低さ

 いつでもどこでもどんな動作でも働く筋肉が必要

人が何かしらの動作を行うときには体幹の筋、なかでも腰周辺を守ってくれる筋群が自動的に活動します。

そうした筋群は強い力を発揮する必要はありませんが、いつでもどこでもどんな動作でも働く必要があるのです。

しかし、体幹筋群の筋持久力が低い場合には早期に疲弊してしまい、本来働くべき場面で働けないという事態に陥ります。

なかしま
なかしま

機能低下した筋では瞬発力に長ける筋が安定に回ってしまうという逆転が起こります。[2]

それは再び腰痛を招く原因となります。

問題②体幹の筋バランスの悪さ

 体幹後面の筋肉緊張↑
 体幹後面の筋肉緊張↓

体幹の筋バランスの悪さも腰痛再発のリスクを高めます。

基本的に腰痛患者は体幹の後面の筋肉が過剰に収縮しています。

それに加えて姿勢の崩れから腹部の筋群の弱化などが起こっています。

そのため腰痛患者に対して腹筋運動を進めることがありますが、それも体幹筋群のバランスを改善する手立てとなります。

しかし一般的な腹筋運動では腰椎の圧縮負荷を高めてしまうため、注意が必要です。

問題③股関節の柔軟性の悪さ

 股関節内旋可動域↓
 股関節伸展可動域↓

腰椎患者の多くは股関節の内旋と伸展の可動域が低下していると言われています。

殿部の筋群や骨盤周辺の筋群の弱さや硬さ、股関節前面の筋群の過剰な活動などが原因とされています。

さらに骨盤と股関節のアライメントの崩れも影響するとされています。

問題④身体の安定性の低さ

 力を入れる場面で体幹がグラつく

腰周辺の筋群は体幹を安定させ、さらに手足の十分な力発揮を促すための基礎となります。

再発リスクがある人では、力仕事のようないきむような動作をする際に、本来であれば働く腰部の筋群の機能が低下しているため、不安定性やグラつきが出てしまいます。

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問題の解決のためのアプローチ

こうした問題の解決のためのアプローチには、

  1. 体幹持久力の改善
  2. 逆転した筋機能の改善
  3. 筋の同時活動の促通

これは短期間の改善プログラムではなく、長期的なプログラムとして行います。

問題① 体幹持久力の改善

体幹持久力を改善するには、持久的のエクササイズをしなければなりませんが、いわゆる一般的なキープするようなエクササイズではありません。

なかしま
なかしま

体幹筋は収縮しっぱなしには適していないからです

腰痛の権威Stuart McGillによると、腰痛改善に貢献する筋群は10秒ほどで酸化してしまうそうです。[1]

そもそも腰痛改善に関与する筋群が日常的な動作で数十秒も活動し続けることはないため、10秒以上収縮させることは、あまり有効ではないと言えますね。

問題② 逆転した筋機能の改善

Mark Comerfordらによると、痛みが起こると低負荷の動作や姿勢維持を行うのに用いる共収縮動員パターン、戦略が変化すると言われています。[2]

どういう変化かというと、

 力とスピードのためのモビリティ筋が安定に働くようになる
 安定は得意じゃないし疲労しやすいので異常が起こる

こういう場合には、低負荷・高反復のエクササイズが有効だと言われています。

その場合には、努力感があってかつ低負荷のエクササイズを選択しましょう。

問題③ 筋の同時活動の促通

たとえば広背筋と対側の大殿筋の共同収縮は、仙腸関節の安定性に関与します。

腰痛患者の30%は仙腸関節に問題が生じているため、修正する必要があります。

また腹壁前面の筋群は後部筋群に比べ弱化しているためアブドミナルブレーシングで活性化させることもポイントです。

なかしま
なかしま

brace(=引き締める)なので、腹壁筋が短縮も伸張もしない等尺性収縮が必要です

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結論

基本的には長期的な問題解決を考えていきましょう。

運動やケアによって腰痛自体は比較的短時間で軽減すると言われています。

その後、また腰痛が出ないように、体幹の筋持久、筋バランス、柔軟性、安定性などを構築していきます。

目指すところは、1日中無意識的に働くような腰部の安定性を確保することです。

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この記事からさらに学ぶには

腰痛とその改善アプローチについて詳しく学ぶ

  1. 腰痛の権威Stuart McGill氏の著書です。腰痛の病態生理学、力学、改善アプローチなどが動画付きで学べます。
  2. 腰痛を含めた脊柱の疾患や問題に対する評価やアプローチが学べます。

筋バランスの改善や筋機能の改善を学ぶ

  1. 動作異常の原因とその再トレーニング法について学ぶ
  2. 筋の異常に対する評価と治療法を学べます

1.Mark Comerford著, Sarah Mottram著, 佐藤 晃一訳キネティックコントロール 制御されていない動きのマネジメント ブックハウス・エイチディ(2017)

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参考文献

  1. Stuart McGill 著, 小山貴之訳 , 玉置龍也 訳『 腰痛 ─エビデンスに基づく予防とリハビリテーション─【原著第3版】』
  2. Mark Comerford著, Sarah Mottram著, 佐藤 晃一訳キネティックコントロール 制御されていない動きのマネジメント ブックハウス・エイチディ(2017)

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