骨盤の男女差
我々の骨盤は成人の男女でその形やサイズが異なります。
男性の骨盤は縦に長く横に狭い構造で、女性の骨盤は、縦に短く横に幅広い構造となっています。
女性は産道を広く有する必要があるため、その通り道である骨盤腔が広くなるのです。
これは主に思春期にホルモンの働きによって形成される特徴です。
女性はこの特有の骨盤の構造によって尾骨損傷が起こりやすいとされています。
尾骨損傷
尾骨は名前の通り、動物でいう尾の部分、脊柱の最後部に付着しています。
そのため基本的に二足歩行で生活している我々にとってそこまで損傷機会がありません。
一般的には、地面に落下したり転倒して尻もちをつくといったことで直接的に損傷することが多いようです。
女性の尾骨損傷
女性の場合、男性に比べて尾骨が(本来はそういう表現ではありませんが)後方に突出しています。
つまり男性に比べると損傷機会が多くなります。
また女性のホルモン周期によって骨盤の緩みが起こるため、尾骨損傷に関連するようです。
また出産時に直接的に損傷する可能性や、産後の骨盤の歪みによる損傷なども起こるとされています。
さらに痩せた女性の場合、殿部の組織が十分にないため座っているときに尾骨が損傷する可能性もあります。
尾骨損傷の症状
いずれにしても、尾骨に痛みが生じます。
尾骨に付着している筋がそれを誘発させるため、歩行時や座位時に痛みが起こります。
場合によっては排便時にも疼痛が出現する可能性があります。
治療
基本的に手術は行いません。
安静と痛み止めなどの内服薬にて処置します。
一般的に2、3ヶ月以内には痛みはなくなりますが、動作とともにストレスのかかる部分であるため、安静にしていない場合には半年以上痛みが続くこともあります。