CRPS・複合性局所疼痛症候群について 極めてまれですが、クライアントがケガの程度からは考えにくいほど強い痛みを訴えることがあります。
そのようなときに、知っておきたい病態のひとつがCRPSです。
CRPSとは、複合性局所疼痛症候群のこと。 骨折、捻挫、打撲、手術などをきっかけに、主に手や足へ強い痛みが続く病態です。 きっかけとなったケガが軽い場合や、はっきりとした原因を思い出せない場合もあります。
CRPSにみられる症状
CRPSの特徴は、ケガの程度や通常の回復過程から考えると、不釣り合いに強い痛みが続くことです。 さらに、
- 軽く触れただけでも激しく痛む
- 焼けるような痛みがある
- 患部が腫れている
- 左右で皮膚の温度が違う
- 皮膚が赤い、青白い、紫色になる
- 発汗に左右差がある
- 関節が急速に動かしにくくなる
- 筋力が低下し、手足を使えなくなる
- 皮膚、爪、毛などに変化がみられる
といった症状が現れることがあります。
強い痛みに加えて、腫れ、皮膚温、色、発汗、動きなどにも左右差や変化がみられる場合には、CRPSを含む病態を考える必要があります。
トレーナーはどう対応するか
CRPSでは、身体をまったく動かさなくなることで、関節の硬さや筋力低下が進むことがあります。
そのため、回復には少しずつ患部を使っていくことも必要です。
しかし、それを理由に、 「痛くても動かしたほうがよい」 「運動を続ければそのうち慣れる」 と判断してはいけません。
CRPSが疑われる状態では、強い運動やストレッチ、マッサージ、無理な荷重によって症状が悪化することがあります。
また、似た症状を起こす神経障害、血管障害、感染症などとの区別も必要です。
したがって、
- ケガに見合わない強い痛みが続いている
- 軽く触れただけでも激しく痛む
- 腫れや皮膚温、皮膚色に左右差がある
- 発汗や皮膚の状態が変化している
- 痛みとともに手足を急速に動かせなくなっている
といった場合には、トレーニングを進める前に医療機関への受診を勧めます。
まとめ
CRPSは、ケガの程度からは考えにくいほど強い痛みが続き、感覚、腫れ、皮膚温、皮膚色、発汗、運動機能などにも変化が現れる病態です。 トレーナーがCRPSを診断したり、独自に運動療法を進めたりするものではありません。
異常な痛みや身体の変化に気づき、無理をさせず、医療機関への受診を勧める。
運動を指導することだけでなく、今は運動を進めるべきではないと判断することも、我々トレーナーに求められるプライマリケアのひとつです。


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